モデル建物の選び方は?ケーススタディで省エネ判定員が解説

モデル建物法を活用した省エネ計算をしたことはありますか?

非住宅建築物の省エネ計算において、最も主流となる計算方法です。

 

このモデル建物法において重要な要素が「モデル建物」となります。

今回は、この「モデル建物」の選び方について、

ケーススタディ形式で解説いたします。

 

「モデル建物」の選び方をマスターして

非住宅の省エネ計算をストレスなく進めていきましょう。

 

「モデル建物」の概要について知りたい方は、こちらの記事でご確認いただけます。

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基本的なルール

「モデル建物」の選び方における基本的なルールは2つあります。

  • 建物の棟単位の用途より、該当する「モデル建物」を選ぶ
  • 原則は、確認申請書第四面に記載された「用途区分コード」に基づく

これらのルールに基づき、「モデル建物」は選定されます。

 

「用途区分コード」と「モデル建物」の関係性については、

モデル建物法入力支援ツールマニュアルに掲載されています。

最新版(Ver.3.6)の、P.3にまとめられています。

出典:非住宅建築物に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム「モデル建物法 入力マニュアル」

【 modelv3_manual_20240401.pdf (lowenergy.jp) 】

ケース1:単独のモデル建物となる場合その①

最初のケースは、建築物の用途が単独の場合です。

建物のイメージは以下の平面図(概形)のとおりです。

この場合、用途区分コードが「08440」のため、

モデル建物法入力マニュアルより、

モデル建物は「大規模物販モデル」となります。

 

物販モデルには「小規模」と「大規模」の2種類がありますが、

この区別は売り場の規模で決まります。

  • 売場の面積が1,000㎡以上・・・大規模物販モデル
  • 売場の面積が1,000㎡未満・・・小規模物販モデル

このことについて、最新版(Ver.3.6)マニュアルの記載場所はP.5になります。

出典:非住宅建築物に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム「モデル建物法 入力マニュアル」

【 modelv3_manual_20240401.pdf (lowenergy.jp) 】

ケース2:複数のモデル建物となる場合その①

2つめのケースは、建築物の用途が複数ある場合です。

建物のイメージは以下の平面図(概形)のとおりです。

この場合、確認申請書第四面の用途が2つあるため、モデル建物も2つとなります。

実際のモデル建物は以下のとおりとなります。

  • 事務所部分(用途区分コード:08470)・・・事務所モデル
  • 診療所部分(用途区分コード:08250)・・・クリニックモデル

ケース3:複数のモデル建物となる場合その②

3つめのケースは、少し特殊な事例となります。

建物のイメージは以下の平面図(概形)のとおりです。

この場合、省エネ計算の審査をする機関により、扱いが2パターンに変わる可能性があります。

  • パターン1:単独のモデル建物(工場モデル)で計算
  • パターン2:複数のモデル建物(工場モデル+事務所モデル)で計算

図の緑色に塗りつぶした部分をどのように捉えるか、

審査機関により目線が異なることが、この理由です。

 

確認申請書第四面の用途が単独であっても、

事務所部分のように単独で別用途を構成する部分がある場合、

モデル建物を分けるべきか否か、審査機関と事前凝議することをお勧めします。

 

今は廃止されていますが、以前の入力マニュアルに記載のあった取扱いも紹介しておきます。

出典:非住宅建築物に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム「モデル建物法 入力マニュアル(Ver.3.1.1)」

まとめ

今回は、「モデル建物」の選定方法についてケーススタディを紹介しました。

  • 確認申請書第四面の用途区分コードから該当するモデル建物を選定する
  • 用途区分コードとモデル建物の関係性は入力マニュアルで確認できる
  • 確認申請書第四面の用途が単独であっても、モデル建物が複数となる場合もある

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  • 戸建住宅(外皮計算・一次エネ計算):6万円~
  • 共同住宅(外皮計算):5万円~
  • 非住宅(工場・倉庫):4万円~ ※モデル建物法、規模により変動
  • 非住宅(事務所・物販店舗等):6万円~ ※モデル建物法、規模により変動
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次回の記事

次回は、モデル建物法の計算において”評価対象外”となる部分について解説します。

お楽しみに!

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